行かないもん。

朝の散歩は涼しいうちがいいと思って、6時前から起きているのに、アールはちっとも動きません。 洗濯や掃除の音が聞こえると安心、とでもいう風情で寝込んだままでした。

やっと起きてきたのが、餌の時間。 今日もよく晴れて、葉っぱがきらきら光っています。 だいぶ気温も上がってきました。 「ちょっとひと回りしてこよう」とリードを付けたのに、「ボク 行かないもん!」  暑くなったら歩けないから、朝 早く誘ったのに・・・・・・

毛皮を着たまま夏

人間は、寒くなると下着を重ねてセーターを着、夏には薄着になって肌を出すのに、犬は毛皮を着たまま。

原産地は山岳地帯のピレニーズ、一年のうちの半分は「暑すぎ」ます。 毎年、この時期には「早く冬毛を脱ぎなさい」とブラシをかけます。

真皮炎が治って格別フワフワのアールです。 今年は、気合を入れてブラシをかけなくてはならないようです。 そろそろ抜け始めたダウンコートを集めてみることにしました。 糸に紡いで、なにか作ろうと思います。

一休み

暖かくなってきて、日中よりも陽が傾いてからの方が歩きやすくなってきました。

でも、アールの散歩は気まぐれ。 私はトレッキングシューズに身支度を固めているのに、曲がり角までで引き返してしまうこともあります。 気まぐれに、のっそり・のっそり一時間半歩いたときには、 後足の肉球から血が滲んでしまいました。 摺足になっているのです。 人間の年寄りと一緒ですね。 舗装道路よりも、土の道を歩かせてやりたくなります。

公園をアールの歩調でひと回りすると、およそ30分。 公園の一番奥までたどり着いたところで一休みです。

頑固なアール

くつろいでいるときのアールは、すっかり力を抜いて安心していてフワフワの毛に、何もかも吸い込んでくれるような、安らぎと癒しを与えてくれます。 単純に、率直に素直にいてくれるアールは、すばらしい存在です。

でも、最近、散歩に連れ出しても頑固に歩かないことがあります。 爪も切ってきれいに磨いてもらったのに、今朝も家から出てすぐにUターン。引っ張っても、頑として動きません。

散歩に連れ出すお兄さんの、「眠いのになぁ。」というため息でも聞こえたの?

こんなに毛が増えました。

半年前にアールを見て、「もう あかん」と思ったといわれました。

でも、「また ふさふさアールに戻ってほしい」と願いました。 ほんとに、シャンプーするごとに毛が増えているのを感じます。

今では、毛が抜けて、とても寒そうだったのが嘘のようです。 子犬の頃から思い起こしても、今一番毛が多くなっているのではないでしょうか。 油断すると、股や腕の付け根が蒸れて赤くなります。 これから暖かくなっていくと、皮膚病が心配です。 夏までに、この毛は抜けて少なくなるのかしら。 抜け毛の量もまた、恐ろしいことになりそうです。

毛が伸び始めて4ヶ月、カラーの毛は密生しているものの、大人のグレートピレニーズにしては まだ短いので、なんとなく子犬の雰囲気です。

シジュウカラをみつけて

ツィー ツィー と、シジュウカラのよく通る声が聞こえるので、周りの木々の梢を見上げて、鳥の姿を探しながら歩いていました。

とつぜん、アールがドタッとひっくり返って、転んでいました。 4本も足があるのに、転んでしまったのです。 アールを見ずに、上ばかり見て歩いているから注意を引こうとして転ぶほど、器用な子ではないので、 ほんとに躓いてしまったのだと思います。 ゆるい下り坂でしたが、大きな石があったわけでもなく、なぜ転んでしまったのか分かりません。 でも、見事にもんどりうって転んで、鼻の頭をすりむいていました。 可笑しいのが半分、心配なのが半分。 擦りむいたのは鼻の頭だけで、足腰に異常はなくすぐに立ち上がりました。 擦りむいた鼻の頭は血がにじんで目立ちます。 すれ違う人が「どうしたの?」と声をかけてくださるたびに、ドジな顛末を説明しなくてはなりませんでした。

コガモに会いに行こうよ。

今年は、神戸(といってもここは西の端ですが)にもよく雪が降ります。 寒い朝は、アールは毛布を被ったままで なかなか起きてきません。 無理に起こしても、冷たい風の刺激で のどを変に鳴らすので、 「お日様と仲良し」の のんきな毎日です。

それでも、午後の散歩は気まぐれに思わぬ遠出になることもあります。 「散歩は飼い主に従わせる」のが正しい飼い方なのでしょうが、犬の体調に合わせた、出たとこ勝負の気まぐれ散歩の毎日です。

アールが元気な頃には、双眼鏡を持って 公園のため池の鳥たち観ていたのですが、このところしばらく 水鳥たちに会いに行っていません。

ふわふわアールになりました。

アールに甲状腺の薬を処方して、腹痛も治してくださった獣医さんに 2ヶ月ぶりに会いに行きました。 ふわふわになったアールに、「まるで別人!」と驚き、喜んでくださいました。真皮炎が一番ひどかった背中には まだ かさぶたが残っていて、血が滲むこともあるのですが、新しい毛がぎっしり生えてきました。

朝から降っていた雨が止んだので散歩に出たら、植木の手入れをしていた小父さんに「白熊だな」と声をかけられました。 「白熊」と呼ばれるのも 久しぶりです。

雨上がりには、みんななんだか明るくなるのですね。 小鳥たちも忙しそうでした。 黒い翼に白い斑点がくっきりと浮き立つ ジョウビタキのオレンジ色を枯れ草色の公園で何度も見かけたのですが、カメラを向けるたびに ツツッと2〜3m飛び去り、私には写せませんでした。

あれから3ヶ月

このところ「寒い」と書き出すことが多いですね。 冬の太陽が顔を出す前に散歩をしていた頃は、歩いているうちに気温が下がり、家を出るときにはクリアだった車のフロンドグラスが、帰ってくるとばっちり霜の模様に覆われいたりしました。 手足は冷たくなっても体は温まっていました。 今年こんなに寒く感じるのは、冷たい朝に鍛えられていないからでしょうか。

きのう雪が降り始める前の重たい空の中、久しぶりにアールにセーターを着せて散歩しました。 セーターが縮んだのではありません。 アールの毛が増えたので、だらりと垂れてしまっていたセーターが ふっくら膨らみました。 あんなにみすぼらしく毛が抜けてしまっていたのが まるで嘘のように、 ベルベットのような手触りの毛がふわふわと伸びています。 あんなにしんどかったのに、よく頑張ったね。 ふわふわの毛に頬を寄せて「ありがとう!!」

クリスマスプレゼント

元気なく寝てばかりいるのが心配で 動物病院に連れて行ったら、 肝臓がとても悪いと言われたのは ちょうど二年前でした。 年が越せるかと危ぶまれながら 病院に通い続けました。 餌は食べるのに どんどん痩せていきました。 「癌かもしれない」と炭水化物を控え、ωー3脂肪酸の豊富な餌を与え続けました。 夏までに一時回復したものの、秋になると 食欲が落ちて皮膚病が酷くなり 肝臓の検査値も上がりました。 病院に通い 薬を飲ませ続けても、一向によくなりませんでした。

CT検査を受けたのは、7月でした。 肝臓はもとより、CTで見るかぎり「内臓はきれい」と言われました。 でも アールは元気がなく、食欲も出ません。 内分泌系の検査で 甲状腺ホルモンが足りないことが分かり、ニキビダニが見つかりました。 ニキビダニ退治を始めようとした頃から 食欲不振が深刻になり、真皮炎が背中から全身に広がりました。 そのうえ 耳には炎症 眼はホルネル症候群とかで見えにくそうになりました。 でも 「心臓はしっかりしていて 内臓はきれい」と獣医さんに言われ、「生きる力はある」と信じることができました。アールは「五臓」はきれいでも、「腑」が悪かったようです。 慢性の胃腸炎、それも 特に腸が悪く、薬に敏感なことが分かりました。

真皮炎のあと、すっかり毛が抜けて 丸裸になってしまいましたが、無事に毛も伸びてきて、今 カラーの毛は私の指が埋まるほどの長さです。 朝夕 薬を飲み続けていますが、餌もよく食べて、体重も 2㎏増えました。 痛いところも苦しいこともなくなって、アールは 表情も姿勢も和やかに伸びやかになりました。  最高のクリスマスプレゼントです。