ツィー ツィー と、シジュウカラのよく通る声が聞こえるので、周りの木々の梢を見上げて、鳥の姿を探しながら歩いていました。
とつぜん、アールがドタッとひっくり返って、転んでいました。 4本も足があるのに、転んでしまったのです。 アールを見ずに、上ばかり見て歩いているから注意を引こうとして転ぶほど、器用な子ではないので、 ほんとに躓いてしまったのだと思います。 ゆるい下り坂でしたが、大きな石があったわけでもなく、なぜ転んでしまったのか分かりません。 でも、見事にもんどりうって転んで、鼻の頭をすりむいていました。 可笑しいのが半分、心配なのが半分。 擦りむいたのは鼻の頭だけで、足腰に異常はなくすぐに立ち上がりました。 擦りむいた鼻の頭は血がにじんで目立ちます。 すれ違う人が「どうしたの?」と声をかけてくださるたびに、ドジな顛末を説明しなくてはなりませんでした。