猫好きのお客さまがジジに会いに来てくださいました。
猫と仲良しのお客さまに慣れたら、ジジのお客さまアレルギーも改善されるかと期待したのに、ジジは爪を出して必死にしがみつくばかりで、隙を見て及び腰で逃げてしまいました。
お客さまが帰られたあと、相手をしてやろうと思ったのに、ジジはいません。
家中探し回って、何度も呼ぶのに気配もないのです。
怖がりジジが外に出るはずはないのですが、家の中があまりにも静かなので、庭の隅に隠れているか、側溝の陰に潜んでいるかと探し回りました。
食いしん坊ジジなのに鰹節を器に入れて「オカカごあ~んだよ」と誘ってもシーンとしています。
急にジジがいなくなるなんて・・・
心配して探し回りました。
すこし落ち着いて、「外に出るはずはなく、家の中にいるはず。それなら、お腹がすいたら出てくるはず。」と考えるようになったころ、微かに鈴の音が聞こえ、「絶対いるはず」と、もう一度、物陰の隅々を探したら、やっぱりいました。
人が必死に探し回っているのは分かっていたのに、出てこないなんて、なんという猫でしょう。
隠れん坊をしているとき、見つけてもらえないのではないかと心配で、はらはらしていた思い出があるのに、ジジは平気で隠れ続けていたのです。
これが猫という生きもの?
それなら、私もジジに知らん振り。
そしたら、ジジは大きな音を立てながら、紙袋に入ったり出てきたり、賑やかなかくれんぼです。