白くて大きいアールの花、と思って植えました。
球根も大きくて立派でした。春、芽が出てからもぐんぐん育ち、丈が2mくらいになりました。アブラムシ除けにオルトランをまき、竹の支柱で支えています。同じ鉢に生えてきたパセリの代わりにニチニチソウを植えました。
梅雨どきは雨に当てないほうがいいと聞いて、雨が降りそうなときには軒下へ、晴れたら日に当てて、と世話をしています。
でも、ふつうカサブランカはこんなに丈が伸びないようですね。きっと、アール・バージョンだから伸びたのでしょう。高くなりすぎて倒れたら困るので、鉢のまま一回り大きい木のバケツに入れてみました。周りには、ツタやトレニア、ロベリア・プリンセスブルーを植えています。
オレガノ
ラヴェンダー、スペアミント、バジル、タイム、セージ、ローズマリー、いろいろ植えたハーブの中で、ひときわ繁茂しているのがオレガノです。
タイムはいつの間にか消えてしまいましたが、スペアミントはよく育ちました。でも、スペアミントの領域を侵略し、丈夫なムスカリまで追いやったのがオレガノです。
この春、バジルを植えるスペースを作りたくて、オレガノを抜きました。オレガノの根元には5mmくらいの球がたくさんありました。虫の卵ではなかったと思うのです。マメに根粒バクテリアが付くように、オレガノの根にも何か謎のものが付くのでしょうか。
『花の事典』に載っているオレガノ・ケントビューティーは、「ハーブで知られるオレガノの仲間です。地中海に自生する2つの原種を交配してイギリスでつくられました。細い茎が這うように延び、先端に美しく色づく幾重にも重なったホウをつけ、ホウの中からピンクの花を開きます。ホウは緑からピンクに色づきます。」と説明されています。その写真は、家のオレガノとはまるで似ていません。花の形があまりにも違うので、オレガノというのは思い違いだったのかと、焦ってしまいました。
オレガノには種類が多いのですね。
梅雨の晴れ間
雷雨の予報もあるけれど、太陽が顔を出し、蒸し暑い一日になりそうです。
水田の稲は、ぐんと伸びています。カボチャもスイかも蔓を伸ばして畑いっぱいに広がっています。キャベツ畑は収穫の最中でした。
水田の畔の草を、鎌で刈っている小父さんに、「暑いですね。」と声をかけたら、はにかんだような優しい笑顔であいさつしてくれました。
この前花を咲かせていたキウイです。咲いた花がみんな実に生ったのでしょう、まさにたわわです。
たっぷり降った雨と、暑いほどの太陽、この地球だからこその生命の勢いを感じます。
ヨウシュヤマゴボウ
いきなり育って花をつけたのは、ヨウシュヤマゴボウ(アメリカヤマゴボウ)です。花よりも、濃いブドウ色の実のほうが印象的です。
野草の本には、「根が太く、一見根菜のようですが、全体に毒があり、食べられません。空き地や道ばたに生える高さ1~2mの帰化植物です。茎は赤く、白い小さな花が咲きます。果実をつぶすと赤紫色の汁が出てくるため、英語ではインクベリーと呼ばれます。」と説明されています。花の写真には「花がついている柄は白い。果実ができる頃になると、柄も紫になる。」と、添えられています。
秋、ムクドリたちが濃い赤紫色の「おみやげ」を落としているのは、この実を食べたからと思っていましたが、「全体に毒がある」のなら、この実ではなかったのでしょうか。それとも、ムクドリにとっては毒ではない、ということもあるのでしょうか。
エノコログサ
梅雨に入って、野原の様子もまた変化してきました。
穂の形もさまざまに生い茂っていたイネ科の青草が枯れ始めています。花粉症(ヘイ・フィーバー)の季節も終わりのようです。
代わって、目立ち始めたのがエノコログサ(ネコジャラシ)です。レンゲの頃のスズメノテッポウとともに、ままごと遊びの頃からお馴染みの雑草です。
エノコログサは、アメリカにとって「進出してきた帰化植物」なのだそうです。中国の食用キビに付随して1930年頃アメリカに帰化したそうです。アメリカの風土がエノコログサの生育に適していたようで、除草剤の効きにくいタイプができたり、草丈が3mにもなるようになったりして、ダイズやトウモロコシ畑の代表的な雑草になっているそうです。
そんな「アメリカ育ちのエノコログサ」の種が、アメリカから輸入する飼料穀物に大量に混入しているのだそうです。飼料に混入しているエノコログサの種を育てると、草型も花穂も大きいのだそうです。
帰化植物図鑑に「帰ってきたウルトラ雑草」として解説されていました。
異国の地で、トウモロコシに負けないように頑張った「外国育ち」は、帰ってきた後どうなるのでしょうね。
ナワシロイチゴ
道ばたの草の間に、真っ赤な実を見つけました。
「道端や川原の土手、丘など、日の当たる場所に生えます。葉は3つまたは5つの小葉に分かれ、茎や枝にはトゲがあります。花は濃いピンク色で、花びらが上を向き、まわりを5枚のガク片が囲みます。果実は初夏に赤く熟し、食べられます。」と野草図鑑に説明されているナワシロイチゴです。
高速道路の土手の上一面に広がっていました。実が赤くなったら写真を撮ろうと思っていたのですが、一週間ほど前に小鳥がたくさん来ていた雑木と一緒に刈り取られてしまいました。
土手の上の実なら、試食するのにちょうどよかったのに、残念です。
カルトン(?)
驚くほど大きいアザミを見つけたので、写真を撮ろうとしていたら、家の方が出てきて「分けてあげましょうか」と切ってくださいました。今年初めて咲いた花をいただきました。名前を聞いたら「カルトン」と教えてくださいました。
「花の事典」にも「帰化植物図鑑」にも、カルトンという名は見つかりません。
ファーブルさんが「思おう存分虫たち・ハチたちを研究できる」と手に入れたことを喜んでいた荒地の庭「アルマス」には、野生の大きなアザミが生えていると書かれていたので、同じものがあるかと探してみたのですが、どうも分かりません。
花の直径は10cm近くありそうです。一株が枝分かれしてたくさん蕾を持っていました。
きのこ
「環境保全」とかの名目で植えられているラベンダーの苗の間にみつけたキノコです。
キノコは林の中や木陰に生えているものと思っていましたが、日差しを遮るものは何もない、土手の上の道端でした。
傍には開ききったキノコがあって直径は15cmくらいありました。
2本寄り添ったキノコは可愛くて、おとぎ話の小人が隠れていそうです。
キノコを愛でて「キノコは食べない」という人の気持ちがわかるような気がします。
でも、キノコは美味しいです。もっぱら食材としてのキノコと付き合っています。・・・このキノコを試食したいとは思いませんけれど。
ドクゼリモドキ
小学校の裏側には、灌漑用水の排水路があります。
その茂った草の間に、咲き始めたばかりのように見える白い花を見つけました。
「茎は上部でよく分岐して高さ2mほどになる。葉は3~5の複葉、小葉は長卵形で細かい鋸歯があって先端は毛状になる。春から夏にかけて茎の頂部に傘型の花序を出し、直径2mmほどの白い5弁花を多数つける。関東地方以西のやや湿った土地に発生している。」と説明されているドクゼリモドキのようです。ちなみは、ドクゼリは「悪臭があり、有毒。」だそうですが、この白い花は、匂いません。
小学校からは、今年初めてのプール学習らしく、賑やかな声が聞こえてきていました。
アジサイ
雨にぬれているアジサイは、いかにも梅雨の花という感じですが、切って室内に置くとあでやかに見えます。
知らぬ間に、たてまえや思い込みにしばられていることに、ふと気づきます。
ファーブルさんは、ハチに指先を40箇所も指されながら、40匹のハチの背中に白い目印をつけていました。
「ハチが遠くに飛んでいっても必ず自分の巣を見分けて帰ってくる」ことを不思議に思って、何をどう識別するのか確かめるための実験の一つでした。
「記憶」とか「知能」とか、人間の勝手な理屈を無造作にあてはめるのではなく、ただ観察して、ありのままの姿を見るための努力です。
白くしるしを付けられるというハチにとっての迷惑も、指先を刺されるという痛みも、「ありのままを見る」ために避けられないこととして享受されていました。
既成の観念に縛られず「見る」、ファーブルさんの素晴らしさの一つと感じます。