アールのお父さんは ヘブン、お母さんは ラブちゃんです。男の子は一匹だけで、活発な姉妹のそばで 静かで おっとり見える子でした。
アールの故郷は 香川県寒川、3ヶ月で10㎏を超えるアールは 瀬戸大橋を鉄道小荷物になって渡りました。初めての旅に戸惑いながらも騒ぐことなく、列車の中では「可愛い」とちょっと注目されました。
一ヶ月に3㎏ずつ重くなるくらいの勢いで成長して、夏には 30kgを超えていました。
子犬のころにも いたずらに困った記憶はなく、乳歯が抜けるころの歯形が階段に残っているくらいです。


桜が咲いてから 涼しい日が続いたので、今年の花は長持ちしましたね。人出も一段落した頃かと 日が落ちるのを待って公園に行きました。少し風が出て 桜吹雪。花を背景にワンショット撮らせてくれたら、「もう帰ろう」と アールはUターン。歩く時間より 車に乗っている時間の方が長いのではないかと思うような散歩です。池の傍に座って 春の夕べの風に当たって リフレッシュしました。
春休みなので つねくんが遊びに来ていました。歩行器で突進してくる つねくんに 前足を轢かれる痛さに耐えていたのは アールが一歳の頃でした。アールにとって つねくんは、今も 守らなくてはならない たいせつな子どもに違いありません。つねくんも アールが好きで、朝は まずアールに挨拶することから始まりました。二人は 仲のよい幼なじみ というところです。
散歩から帰って 玄関でお腹を冷やしているアールを見ると、被っている帽子を脱いで アールの頭に置きたくなります。それが けっこう 可愛いのです。頭の形は 人間とはまるで違うのに どんな形の帽子でも 意外に似合います。
アールは 車に乗って公園に行くのが好きです。ガソリン代も上がったし、運転したくない日もあって、車の傍にスタンバイするアールを引っ張って近所を回ることが多い昨今です。そんな日が続くと 車の傍に座り込み、強引に引っ張っても 角の空き地で用を足すだけで、そそくさと引き返してしまいます。「明日は公園に行こうね」と約束することになります。


朝9時を過ぎる頃は、通勤・通学が終わり 道を歩く人がほとんどいなくなります。主婦も家族を送りだし ほっとして朝の片付けに忙しい時間。犬を散歩させる人にも会いません。幼稚園で遊んでいる子どもたちの声が かすかに流れ、朝の営みに励む小鳥たちは 元気に鳴き交わしています。アールは「歩きたいのでしょ。」と、まるで私を連れて行くように、のっそり どこまでも歩き続けます。暖かくなったら、朝の散歩の時間も だんだん早くなるでしょう。