昨シーズン、ジェミーソン&スミスの毛糸で編んだフェアアイルニットのベストが気に入ったので、もう一枚ジェミーソン&スミスの毛糸でベストを編みました。
羊の種類で繊維の形状も違うのでしょうか、素人の感触ですがジェミーソン&スミスの毛糸は、堅めの縮毛がざっくり撚られているような空気を含んだ軽さを感じます。
『毛糸だま』2010冬号に掲載されている風工房さんのデザインです。
濃いワインレッドのラインが目立つ全体としては薄茶色のベストという印象を持ちました。
実際には、18色の毛糸で編みこんであります。
色を多く使う場合には、2系統の濃淡のバリエーションにアクセントになる色が入っていることが多いのに、このデザインはピンク、緑、青、黄色、紫と鮮やかでカラフルな模様が重なっていて、とても楽しく編めました。
各模様の単位が、6目だったり、8目だったり、10目だったり、14目だったりして全体の重なりがずれていくので、ちょっと緊張して編みました。
フェアアイルニットを編む
初めて、毛糸を編んだのは10歳の頃だったと思います。
編み物の中でも、毛糸の棒針編みが好きですが、ここ数年フェアアイルニットにはまっています。
なぜ、こんなにフェアアイルニットなのか。
まず、毛糸の色をえらび並べることが楽しい。
そして、幾何学模様の組み合わせを編みこむ、シンプルな対象図形の繰り返しの規則的なリズムが楽しい。・・・ひと目でも間違えると模様が崩れるので、きれいな模様が続いている限りミスなく編めていると安心できるのです。ふふふ、たしかな正解なんて世間では通用しにくいのは分かっているから、編み物の世界にはまるのかなぁ。
『風工房のフェアアイルニット』には細い毛糸(マイルドラナ)でベストが作られているパターンを太い毛糸(パーセント)でジャケットに編むことにしました。
ゲージも形も本とはまるで違うので、編み図から作ります。昔なら方眼紙にパターンを移し書いていたのでしょうが、カラーコピーを活用しました。カラフルに色分けしてあるのは分かりやすい反面、昼の日差しの中でなくては色を見分けられないことがあるので、毛糸の色番を付記しておきます。
フェアアイルニットのふたつのウォーマー
フェアアイルニットのジャケット風カーディガン
『風工房のフェアアイルニット』では、前立てを編み出してボタン止めになっていますが、ファスナー止めにしてほしいという希望でした。
ファスナー止めに合わせて左右の前身ごろはつき合わせにして、さらに模様編みで色を変えるときの毛糸の端が出てこないように工夫しました。
既成のオープンファスナーは60cmですので前立てよりも長くなりますが、そのまま衿に付けることにしました。でも、身頃の裏にとじ付けたファスナーは、折り返した衿の表に貼りつくことになります。衿に裏をつければファスナーはきれいに隠せても、全体のイメージが変わります。
衿の表にファスナーが貼りつくデザインとして、ファスナーを刺繍糸でとじ付けてみました。
フェアアイルニットの帽子
フェアアイルニットのスヌード
もう一枚のフェアアイル・ペアベスト
フェアアイルのペアルック
ロングカーディガン
やっと完成!!
2009秋の『毛糸だま』に載っているロングカーディガンです。娘は、一目見たときから気に入ったようでしたが、ずっと編み始められなかったようでした。
「今は自分では編めないから、編んで欲しい」と材料の毛糸が届きました。
私の手元には編みたい物がいっぱいあるのですが、今すぐにも着たいという勢いに押されてしまいました。3週間で仕上げたいと思ったのですが、甘すぎました。
黒は見にくいので敬遠していたのに、黒地にグレーの濃淡の編み込み模様を引き受けたことを後悔しながら、でも、編みこみは楽しくて明るさを求めて日差しの中で編みました。
自分流にアレンジしながら編むことが多いのですが、「本のとおりに編んで」という厳しい注文でしたので、編み図のプリントミスを修正しただけで、本に忠実に従いました。
何よりも苦労したのは、衿のすくい目です。黒いのでよく見えない上に、細い0号針で拾わなくてはなりません。目数を正しく合わせなくてはならないし、手元灯りのもとで、何度もやり直しました。
私の手には余る大作でした。
チロリアンテープを使ったバッグ
手の込んだチロリアンテープですが、長さが限られているので、使い方を考えなくてはなりませんでした。
糸(オリンパス・エミーグランテ)の色を選び、テープに合わせて編み足したしたのもをバッグの形にしてくださったのは*hruru*さんです。
手にした限られた素材はどのようにしたらうまく生かせるのか考えます。
さんざん考えたすえにできた物に納得できたときは、とても嬉しく思います。そして、むしろ制約がある時の方がじっくり考えて工夫できるのではないかと思うのです。