シンプルなグレーのスヌードを着こなせるほど若々しくないので、イタリア製のきれいな色の毛糸を選びました。
赤い色がほしいし、紫も使いやすそうですし、青もキレイです。
欲張って3色とも求めて、気ままに編みつなぎました。
手持ちの地味な紺色の服も、これで再活用できそうです。
選ばれるのは?
スヌード(輪になっているマフラー)
スヌードというのは、決して新しい物ではないようですが、今年の流行アイテムとしてファッションショーにも登場していましたし、デパートにも並んでいます。
目新しくて、ファッショナブルなだけでなく輪になっているものを首に掛けるのですから、するりと落ちてしまう心配がないのがいいですね。
マフラーは二重に巻いていたはずなのにハラリとほどけていたり、「おやっ」と思ったら「していたはずのマフラーがない」・・・今きた道を引き返してたどり、運よく見つかったときのほっとした気分は焦って探し回った疲れを忘れさせてくれますよね。
アルパカウールのグレーと白の混じり糸で、アラン編みのスヌードを編みました。
つややかなアルパカウールの、ゆったりとした雰囲気の温かいスヌードになりました。
フェアアイルのマフラー
カラフルな毛糸を手に入れて、着てみたい色合いに作りたいと、いろいろ試してみました。
色を選ぶのは、とても楽しいのですが、とても難しいと痛感します。
私をフェアアイルの虜にしたのは、風工房さんの本に載っている作品の色合わせの魅力だったのですから、本のとおりに編んでみることにしました。
帽子を編んでみて、色の取り合わせをもっと習いたと思い、挑戦したのがこのマフラーです。
本の写真を見て「いいな」と感じて選んだのですが、一針一針編んでいくとそれぞれの毛糸の色がじっくりとしみこむように感じます。夜は多色刷りの本の色を識別しにくくて、ちょっと間違ってしまったところもあります。でも、習作ながら「いいマフラーができた」と思います。
どこかでどなたかに愛用していただけたらいいなと思います。
輪編み針ケース
輪に編むときだけでなく、少し大きく平らに編むときにも、輪編み針を使うことが多くなりました。
4本の針を持ちかえるのが億劫だったり、長い針はうっとうしく重く感じたりするのです。
愛用するようになって、輪編み針がだんだん増えてきました。初めは、箱に入れていたのですが、竹の針が長いプラスチックのコードでつながっている輪編み針は、勝手気ままな方向を向いてもつれ合います。伝票を分類して保管するためのケースを使ってみたこともあるのですが、紙を整理するためのものと竹の針の相性はしっくりしませんでした。
今、私の輪編み針たちは、しっくりと心地よいケースに納まっています。優しい花柄のリネンのポケットの中で、出番が来て活躍するのを待ってくれているようです。
2-Wayスカート
フェアアイルニットは、5段、10段と編むごとにカラフルな模様ができるので、編んでいてとても楽しいのです。
輪編みにするのが元来の手法ときいて、ぐるぐる回りながらスカートにしようと思いつきました。
室内では、温かいロングスカートでゆっくりくつろぎたいし、流行のブーツを履くには、スカートの丈は短めがよさそうです。
そこで、ウェストにあわせるとロング丈のスカートになり、肩から着ると膝丈になるようにしてみました。
ゴム編み部分を生かして、紐を通すことでウェストにも肩にも対応できるようにしました。左右の脇を開けてボタンをつけ肩から着るときには開いて手を通し、ウェストに合わせるときには閉じます。
紐も太さで感じが変わります。
苦手なミシンを出してニット用の裏地もつけました。
私なりの思い付きを盛り込んで、想い描いていたことを形にしてみたかったのです。
コーディネートも工夫して、着心地を試してみたいと思っています。
どうぞ、お元気で。
いつもはひっそり暮らしておりますのに、この秋は懐かしい人の訪問が続きました。
おおらかな北の大地で「明るい家族」を地で行くように暮らしていた頃、夫の職場で知り合い一緒に仕事をして、好きな本を交換しあって読んだり手編みセーターの話に盛り上がったりした友人です。
ずっと、「会いにいく」「会いに来て」と、いい続けていました。やっと果たした再会です。用意しておこうと思っていたのに間に合わず、おしゃべりしながら仕上げた帽子とリストウォーマーです。
健康診断で癌が見つかり、定年まで勤めるつもりだった仕事を辞めて、治療に専念している合間を縫ってきてくれました。
10時間に及ぶす手術を受けたというのに「私にとって、手術はたいしたことではなかったの。入院中は優等生患者で、2週間で退院したんだよ。」と明るく話してくれました。毎週点滴に通う治療は厳しいと思いますのに、通院中に知り合った先輩患者さんの話をしてくれます。
避けることができないことをあるがままに受け止めて、自分を憐れまずに前向きに笑顔を見せてくれました。気負わずに「今まで、何の苦労もなかったから。」と言う彼女には、誠実に積み上げてきた日々の中で築きあげた家族と友人のゆるぎない絆があるように思えました。