春の息吹

雨の多い三月です。
むかし母は何のせりふか「春雨じゃ、ぬれてまいろう」と、傘を持つのを嫌って出かけていたのを思い出します。
日本では、三月の雨は四月の花をより美しく咲かせてくれるのでしょうか。
なま暖かく朝霧の濃い中、デルフィニュームの若い葉に露がたまっていました。
「チューリップはやっぱり赤が一番だね」と言って、年末のカレンダー代わりに花屋さんがくれた球根も元気に育っています。

クリスマスローズ

クリスマスローズが咲き始めました。
こぼれ種から育った苗をオリーブの木の下に移植しました。親株よりも大きく育ち、つぼみも早めにつけました。こちらの方が日当たりは悪いのですが風はさえぎられています。ほんのすこしの差なのですが、クリスマスローズはオリーブの木の下の方が好きなのでしょう。気に入る場所がはっきりあるのに、植えられたら移動できなくて、場所が悪いだけで枯れてしまうこともあるのですよね。

ポトス

吹き抜けになっている玄関から、ふと見上げてみました。
ポトスがこんなに伸びているなんて知りませんでした。
しかも、影になる位置で直角に曲がって、まるで土を求めるように根が伸びているのです。痛々しいほどの生命力を感じます。
観葉植物を育てるのは苦手なのですが、ポトスとだけは相性がいいのか、親株は30年を超えています。居間に置いてある親株は冬の間に繁茂して、テレビ画面の邪魔になるほどです。

シクラメン

毎年冬になるとシクラメンの鉢が欲しくなります。
「ラベンダー色」と名づけられていたこの花は、薄紫とピンクの中間の色で、写真にはうまく色が出ていません。
花屋さんの店頭で目について手を伸ばすと、「この花、ええやろ。茎もしっかりしとるし。今、仕入れてきて見とれとったんよ。」とのこと。お店に置かれたのは束の間のことになりました。
花持ちもよく、つぎつぎに咲いてくれています。
同じように世話をしても、弱ってしまう花も勢いよく育つ花もあり、生まれながらに持っている力がそれぞれで、「生きものなのだなぁ」と思います。

雲間草

冬の寄せ植えの彩りに花屋さんが進めてくれたのが雲間草です。
図鑑を調べると夏の野草に分類されていています。この寒い中、可憐に咲いているのに、夏の野草? 雲間に咲く花という命名ならば、高山植物なのかもしれません。・・・やはり、日本の固有種の雲間草は、なかなか見ることのできない高山植物でした。栽培されて花屋さんに出回っているのは、北欧産のセイヨウクモマグサで、夏の暑さには弱く秋から春にかけて咲く花だそうです。

寒中の散歩

そろそろ梅が咲き始めているかもしれないと、散歩の行く先を梅園にしました。
空気はピリッとつめたく、小鳥もほとんど見かけません。
梅園の梅の枝先は赤味がかっているものの、まだ枯れ枝が目立ちました。
いつも、一番に花をつける斜面の上方の木に紅梅が一輪咲いていました。
一本一本木を見て歩くと、膨らんだ蕾がはじけ始めている木は数本あります。やはり、先に咲くのは紅梅かと思っていたら、白梅も一輪見つけました。

メジロの訪れ

この冬一番の冷え込みだった昨日、やっとメジロたちが来てくれました。
「そろそろ来てくれてもいい頃なのに・・・」と心待ちにしていました。
最近、メジロの人気が高まっていると聞いていました。1羽ずつ籠に入れたメジロをすこし離して置いて、啼き交わさせているのを見たこともありました。
メジロの訪れが遅いような気がして、乱獲されているのではないかと心配していました。
昨日、ジュルジュルチッチッチッと賑やかな声が聞こえて、ほっとしました。
メジロが好きな山茶花がきれいに咲くように、ときどき古い花びらを落として待っていました。

冬の池

ヌートリアを見つけた池の流出口には、2羽のバンが仲良く泳いでいました。
バンは、それほど珍しくはないらしいのですが、図鑑で確かめて一度見たいと思っていた水鳥です。光のかげんで嘴の赤色がうまく写りませんでした。

鏡のような池の面で白く光るトリが見えました。岸には近づかず、遠くに何羽かいるのが見えるのですが、姿を追って見ていると、すっと水中にもぐるので見失ってしまいます。写真を拡大してみると、やはり、ミコアイサでした。

静かな池の面でぐるぐると回って波紋の輪を作っているのはハシビロガモたちでした。
嘴を水につけてぐるぐる回る習性があるのは知っていましたが、仲間たちで一緒にぐるぐると回るのは、はじめて見ました。ぐるぐる回るハシビロガモたちは池に渦を作るのでしょうか。魚の群が海中でまわって渦を作り餌を集めるという話を聞いたことがあります。

マガモ、コガモ、カルガモ、鴨たちもたくさんいました。一回り小さい隣の池には、ヒドリガモたちが静かに泳いでいました。

体が重いのか、泳ぐときには水中から首だけ出しているカワウが重そうに飛び立っていきました。

ヌートリア

時雨れそうな寒い日でしたが、一万歩を目指して歩いてきました。
北に向かうか南に行くか・・・車通りの少ない道を選ぶことにしました。
池に着いた途端に目にしたのがヌートリアです。
以前は子育て中の家族などもいて、池でよく見かけたのですが、数年前に害獣と指定されたからか、最近とても少なくなったように思っていました。
カピパラよりも一回り小さくて、大きな野鼠といった風貌です。毛皮を利用するために養殖されていたこともあると聞いたことがあります。
久しぶりに見かけたヌートリア、水から出て全身を見せてくれるまで、そっと待ちました。

冬のキノコ

風もなく穏やかな元旦、初詣ほどの信心もないので、散歩に出かけました。
「ちょっと息切れしてきた。この坂、今日は勾配がきつくなってる?!」
「アールなら、もう動きたくないって、ここに伏せてしまうね。」無駄口が独り言ではないことに感謝。
まだ、梅の蕾は固く、なぜか小鳥の姿もありません。
桜の枝に、キノコがついていました。キノコを見分けるのは草花よりもずっと難しいです。
カイガラタケ(貝殻茸)の仲間なのでしょうか、脆く折れた桜の枝にもいっぱいついていました。
今年もどうぞよろしくお願いします。