幼い日の憧れ

「単身赴任」という言葉もまだなかった頃、父がアメリカから送ってくれた絵本が2冊ありました。 1冊はディズニーの『不思議の国のアリス』。 本棚に収まらない大判の絵本の裏表紙は、木より大きくなったアリスに怯えた小鳥を見て驚いているアリスのミステリアスな絵でした。

もう1冊には、淡白な色で 好奇心満々の少女の日常が丁寧に描かれていました。 椅子の背にロープを結んで綱渡りの真似をしたり、さまざまないたずらの末に、念願がかなってバレーを習い始めるのです。会心の笑みで バレーのポーズをしている少女の名前「キッキー」を大切な人形に付けていました。

私もバレーを習いたかったのに、親はさまざまな理屈をつけて なかなか叶えられませんでした。 きっと 心のそこには「踊りたい」願望が今も潜んでいるに違いありません。 音楽は歌ったり奏でたりするよりも 体のどこかを動かしてみたくなります。 今さらクラシックバレーではないし、フラダンスは豊満な体を揺らすイメージですし、社交ダンスは遠慮。 草原でさわやかに踊るフォークダンスもいいし、フラメンコのフリルいっぱいの衣装もちょっと着てみたいです。 いつか 幼い日のあこがれに挑戦することを夢見ています。

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