クリは17年間 私たちと生きてくれました。
クリは、兄弟全員毛色が違う 土着の雑種です。クリーム色なので「クリ」と呼ばれていたのが そのまま名前になりました。家族会議で決めた名前よりも「クリ」のほうがクリらしかったのでしょう。クリは、狐に「飼いならされてはいけないんだ」と囁かれたことがあったのかもしれません。若い頃は よく脱走しました。クリを見つけたら、パン(ちくわや煮干ではなく)を見せると追ってくるので そこを捕まえていました。犬小屋の中の敷き藁を引っ張り出して、雪の上に丸くなって鼻を尻尾に埋めて寝るので、雪にくぼみができました。
ときには自転車で引かれて走り回った故郷を離れたのは、クリが4歳になるときでした。可愛がってくださった お向かいのおじさんに別れを告げて、小樽から敦賀までのフェリーの旅を経験しました。
クリにも生まれた土地を離れた苦労をさせてしまいました。でも、フィラリアにもパルボにも負けずに天寿を全うしてくれました。