アールの特技

アールができるのは、「おすわり」と「ふせ」と「まて」だけです。「おて」もできません。特技といっても 教えた芸ではありません。

台所に立とうとスリッパを履こうとすると、スリッパが見当たらないのです。階段の下に脱いだのか 洗面所か、と家中探しても見つかりません。アールが体の下に隠しているのです。私が探し回っているのに知らん顔です。スリッパ隠しがアールの特技です。最近はスリッパが見当たらないときは アールの下を探ることにしています。

セーターを着てお散歩

日曜日の朝、吹き荒れる風に雪も混じる中、初めてセーターを着せて散歩に出かけました。「また モデルかな。」嫌がらずに着てくれたものの、ちょっと戸惑い勝ち。ゆっくり歩く足取りが 気取っているようにも見えます。

元気いっぱいとはいえないアール、暖かい部屋から連れ出すときの寒さ対策が必要になってきたのかもしれません。

昨年の今頃は、体調を崩して日に日に痩せるとともに 毛が抜けて見るからに寒そうでした。初めて  アールにセーターを着せてやりたいと思いました。湯たんぽを入れて 毛布をかけて寝せていました。今も、夜ケージに入る前には毛布をかけてもらうのを待ちます。そろそろ お寝巻きセーターを編まなくてはならないのかな。

セーター・デビューの散歩から帰ると、家には入らず「写真撮るのでしょう?」と言いたげに、庭に回っていきました。残念ながら、デジカメは電池切れでした。

散歩の楽しみ

散歩中に、「わぁ 大きい」とか「おとなしそう」と声をかけられると、アールは立ち止まってご挨拶。 最近「走れ ジョリー」の再放送があるらしく、 「あっ ジョりーだ!ジョりーだ!」と近づいてくる子どもたちが増えました。 アールは人気者になれてご機嫌です。 でも、12月から また薬が増えて、心と財布が痛んでおります。

アールのライバル

しょうま君は、Google Earthをズームして空港を探すのが好きです。「パコソンで キチュウ 見たい」とtwodashの大きな膝の間にするりと埋まります。サ行とタ行の区別が苦手なしょうま君の口真似をすると、片エクボが私のほほにも移りそうです。

しょうま君が来た音を聞きつけるとアールは玄関に急ぎます。みんなに「いらっしゃい」と挨拶するのですが、しょうま君が後ずさりするのを知っていて、一瞬ふっと顔を近づけるのです。お姉ちゃんのみいちゃんや 従兄のつね君には乳児の頃から一度も逆らったことがないのに、しょうま君にはお行儀よくできません。

遊び疲れたしょうま君が寝てしまうと、部屋の隅にいたはずのアールがいつの間にか しょうま君と私の間に寝そべっています。

一緒にいる時間「プライスレス」

風もなく穏やかな朝、近くの公園まで のっそり歩くアールの足取りを見て「もう 帰ろう」と引き返しました。ところが 家まであと一ブロックというところで ぴたりと止まり逆方向に歩きだしました。「こんな調子で遠くまで行けないでしょう。」というのに、頑として進むのです。「この道、工事中で汚いじゃない。」と文句を言いながらも のっそり歩き続けるアールに付き合って、刈田の横、ブロッコリの苗植え、大豆の収穫などの作業を見ながら、誰もいない運動公園まで着いたときには、胸に詰まっていた言葉の塊が解れてきていました。

ため池の水鳥や刈田の野鳥を見ながら、ゆっくり帰ってきました。アールはどうして こんなによく分かってくれられるのでしょう。

アールのセーター

今、アールにセーターを編んでいます。毛が深く 寒いのが好きなアールは、きっとセーターなんて着たくないでしょう。ですから、こちらの勝手で着せるセーターです。白くて大きいアールに合わせて模様を考えながら「ねえ、見て!きれいでしょ。アールのセーターよ。」という私をちらりと見上げ、「ウフッ」と息を吐いて また くつろぎます。まるで「また 他愛のないことを言って」というようにも聞こえるのですが、自分のものが編まれているのに満足しているようにも見えます。

静かな朝

朝、散歩の用意をしても玄関に出てこないときは、無理に連れ出しても歩かないので散歩は中止します。家族が起きてくるまでの時間 パソコンの前に座ると、アールは撫ぜてもらうつもりで 私の右手が届くところにゴロンと横たわります。右手をお腹に乗せたままではマウスを操作できないので手を離すと、ツンと鼻先で肘を突いて「真面目に可愛がって」との要求。アールが左側に来ればいいか、左手でマウス操作をするべきかと意味もなく考えてしまいます。アールのわき腹はなんとなく腫れていて、そこは撫ぜないで ただ手を置いていてほしいのです。

アールのこだわり

朝の散歩の時間が遅くなると、集団登校の時間になります。通学路を避けるのですが、小学生の列に出会うこともあります。「わっ かわいい」と声をかけてもらうのもうれしいのか、アールは列が通り過ぎるまで じっくり座り込んで待っています。そんなに時間をかけたくない私との ちょっとした攻防になります。

家の近くの横断歩道には黄色い旗を持ったお母さんが二人立ちます。帰りが少し遅くなって、横断歩道の向こうの集合場所には子供たちが集まりはじめていたので、すこし先で道路を渡ろうとしたのですが、「いつもここで渡るでしょ」とアール。子供の集団の中に入りたくなかったので、リードを引いたら座り込んで抵抗して、引っ張っても押しても動きません。子供たちとお母さんに笑われて、飼い主の威厳もなく「すみません」と横断歩道を渡らせてもらいました。アールも私の足元にぴったり寄り添って「だって おうちに帰るのはこの道なのだもの」と言いたげに、下を向いて足早についてきました。

旬の魚

アールの餌を魚に切り替えてから10ヶ月になります。ハマチやカンパチなどの刺身のあらにも詳しくなりました。骨を取り除きやすくて脂が乗っている カマやハラスがねらい目です。数日分まとめて買うとかなりの量になります。

新鮮・秋鮭セールのとき、198円でたっぷりカマとハラスが入っているパックを二つ籠に入れたら、切り身を選んでいた人に「どうやって食べるのですか?」と声をかけられました。一瞬口ごもり、「ほぐしてコロッケにしたり・・・・・・」。犬に食べさせるとは言えませんもの。その晩は、本当にコロッケを作りました。脂の乗ったカマとハラスはアール、尾のみや形の悪い切り身を焼いてほぐし フェンネルを効かせました。おいしいコロッケでしたよ。

新鮮な旬の魚こそ脂が乗り、アールも食べやすく体にもいいのだと思います。今は 鮭とサンマのお世話になっています。

食欲の秋

散歩はサボるのですが、食欲旺盛なのです。「面倒なことしなくてはならないなら、おやつはいらない」というアールには珍しく、 何度もおやつをねだります。獣医で新しい薬が出たとき、「次回の検査は一ヵ月後。餌を食べなくなったりしたら、連れてきて。」といわれたので、食欲があるのは喜ばしいこと。三日分作っておいたつもりのおやつを全部食べてしまったので、アールのために わざわざスーパーに行ってきました。

アールのおやつは、頭と腹を取ったいわしをフードプロセッサーにかけ、おからを加えて味噌少々で味付けし、小さなハンバーグ型にして オリーブオイルで焼いたものです。今日は、マグロのハラミの炙りもおまけです。

少しやせているアールです。しっかり食べさせて 体力を付けさせる作戦です。