紫色のグラデーションがきれいなセーターです。
本の写真には、「牧草地に咲いていたアザミの花、群生する野の花々の色を集めて。ダイヤの中の模様を変えて色に厚みを出しました。」と説明されています。風工房さんの配色にはいつものことながら、うっとりします。
袖付けと袖に少しゆとりを持たせて、裄を短くするために肩幅を少し狭くするなど、模様を崩さずにサイズを調節する工夫をしました。
毛糸が細くなると、模様も繊細になります。編み込み模様は毛糸が裏に渡るため、細い毛糸で編んでもしっかり温かいセーターになります。
3枚目のフェアアイルニットのジャケット
まだまだフェアアイルニット
フェアアイルニットのジャケット風カーディガン
ベストを編んだときにも配色の妙に感心した風工房さんのデザインです。
ベストは細めの毛糸マイルドラナで編みましたが、これは並太のパーセントでなるべく似た色を選んで編みました。
模様の中で一番多く使われている色は濃い茶色で、ベストの縁取りに使われていましたが、縁編みはグレーとブルーグレーの編み込み二目ゴム編みにしてみました。
ボタンは、縁編みの色に合わせてグレーの貝ボタンにしてみようかと思ったのですが、模様に多く使われている濃い茶色を生かしたウッドボタンが雰囲気を和ませてくれるようです。
手編みニットは、洋服のように仮縫いをして形を補正できないので、完成形を参考に目数を計算して編むことになります。
これも、『風工房のフェアアイルニット』に掲載されていたカーディガンの形にして、袖ぐりだけすこし大きくしてみました。
もう一枚、フェアアイルニットのベスト
昨シーズン、ジェミーソン&スミスの毛糸で編んだフェアアイルニットのベストが気に入ったので、もう一枚ジェミーソン&スミスの毛糸でベストを編みました。
羊の種類で繊維の形状も違うのでしょうか、素人の感触ですがジェミーソン&スミスの毛糸は、堅めの縮毛がざっくり撚られているような空気を含んだ軽さを感じます。
『毛糸だま』2010冬号に掲載されている風工房さんのデザインです。
濃いワインレッドのラインが目立つ全体としては薄茶色のベストという印象を持ちました。
実際には、18色の毛糸で編みこんであります。
色を多く使う場合には、2系統の濃淡のバリエーションにアクセントになる色が入っていることが多いのに、このデザインはピンク、緑、青、黄色、紫と鮮やかでカラフルな模様が重なっていて、とても楽しく編めました。
各模様の単位が、6目だったり、8目だったり、10目だったり、14目だったりして全体の重なりがずれていくので、ちょっと緊張して編みました。
フェアアイルニットを編む
初めて、毛糸を編んだのは10歳の頃だったと思います。
編み物の中でも、毛糸の棒針編みが好きですが、ここ数年フェアアイルニットにはまっています。
なぜ、こんなにフェアアイルニットなのか。
まず、毛糸の色をえらび並べることが楽しい。
そして、幾何学模様の組み合わせを編みこむ、シンプルな対象図形の繰り返しの規則的なリズムが楽しい。・・・ひと目でも間違えると模様が崩れるので、きれいな模様が続いている限りミスなく編めていると安心できるのです。ふふふ、たしかな正解なんて世間では通用しにくいのは分かっているから、編み物の世界にはまるのかなぁ。
『風工房のフェアアイルニット』には細い毛糸(マイルドラナ)でベストが作られているパターンを太い毛糸(パーセント)でジャケットに編むことにしました。
ゲージも形も本とはまるで違うので、編み図から作ります。昔なら方眼紙にパターンを移し書いていたのでしょうが、カラーコピーを活用しました。カラフルに色分けしてあるのは分かりやすい反面、昼の日差しの中でなくては色を見分けられないことがあるので、毛糸の色番を付記しておきます。
フェアアイルニットのふたつのウォーマー
フェアアイルニットのジャケット風カーディガン
『風工房のフェアアイルニット』では、前立てを編み出してボタン止めになっていますが、ファスナー止めにしてほしいという希望でした。
ファスナー止めに合わせて左右の前身ごろはつき合わせにして、さらに模様編みで色を変えるときの毛糸の端が出てこないように工夫しました。
既成のオープンファスナーは60cmですので前立てよりも長くなりますが、そのまま衿に付けることにしました。でも、身頃の裏にとじ付けたファスナーは、折り返した衿の表に貼りつくことになります。衿に裏をつければファスナーはきれいに隠せても、全体のイメージが変わります。
衿の表にファスナーが貼りつくデザインとして、ファスナーを刺繍糸でとじ付けてみました。