また、山茶花の季節です。

いつまでも、うんざりするほど暑い夏でした。
気持ちのいい秋の日をゆっくり楽しむ間がなかったような気がします。それとも、ただ、あわただしく日を過ごしてしまっただけなのでしょうか。
また、山茶花が咲き始めました。今年も一番に咲いたのは、また赤い花でした。さくらが咲き始める頃まで、つぎつぎ花が咲き続けるのですから、山茶花はパワフルです。冬は雪に被われて、木の葉もほとんど落ちてしまう無彩色の札幌に慣れていたので、濃い緑色のつややかな葉と真っ赤な花に目を奪われたのは、もうずっと昔のことです。でも、山茶花が咲くたびに、冬の札幌を思い出します。
山茶花のこずえに止まったジョウビタキに、「逃げないで!またおいで!」と、さえずり声を真似してみました。しばらく、首をかたむけ尾をピッピッと動かして、耳なれない呼びかけに不審気でした。
枝に隠れるようにして、モズも鳴いていました。花がいっぱい咲く頃には、また、メジロがたくさん来てくれるでしょう。

秋の散歩

柔らかな日差しに誘われて、散歩に出ました。
アールを車に乗せて連れて行っていた公園まで、歩いていきました。
アールの写真を撮ったときのように、ジョウビタキやシジュウカラが鳴いていました。
公園のベンチでお茶を飲んでおにぎりを食べたのは初めてでした。

ヤマラッキョウ(山辣韮)

風もないのに、木の葉がハラハラと落ちていました。
道ばたには枯れ草と、青々とした若いアオイの仲間と薄紫の花をつけたホテイソウがあります。
その中で、目立っていたのがヤマラッキョウでした。日当たりのよい道ばたの斜面に咲いていました。
「山や高原のススキ草原に多いが、海辺の草地から山地まで広く分布する。」と、最近求めた『秋の野草』(山渓フィールドブックス)に書いてありました。この本は、自然に生えている場所の写真がとても分かりやすく、「身近な野や山で見られ、花の美しい物、または花の目立つものを優先した。」という集録の仕方が気に入りました。

ツワブキ(石蕗)

花暦では12月の花なのだそうです。
大きな葉がフキに似ていて艶があるからこの名になったようです。「春先に伸びてくる太い葉柄はキャラブキにして食べる」と書かれています。・・・佃煮にするほどたくさん芽が出てくるのかしら。
このツワブキは、母が持ってきたものですから、ここに植えてから20年近く経ちます。万年青、ユキノシタ、エビネ、棕櫚竹、観音竹・・・母が草花の手入れをしていた姿は記憶にないのですが、猫の額ほどの庭から石も一緒に移してきました。私があつめるものとは雰囲気が違います。しっくりしなかったのものの、しっかり根づいてなんだか見慣れてしまいました。

ジュズダマ(数珠玉)

用水脇に生えていました。最近は、あまり見かけないように思います。落ちないように用心して写メを撮りました。
子どもの頃は、たくさん生えていたように思います。
熟した実の中心の枯れたオシベを抜くと、糸を通せる穴が開くので、たくさん集めて長くつなぎ、二連三連の首飾りにして遊びました。黒く、よく熟した実でないと、オシベがうまく抜けないのです。
むかしはこれで、ほんとうに数珠を作っていたのですね。

緑の中に一枚だけ、真っ赤な葉をつけている桜がありました。

カサブランカの球根

大きく立派に育ってくれたカサブランカも枯れて、植え替えなくてはなりません。
「上のほうが枯れ始めたら、掘り起こして球根を洗って消毒するといい」と聞いていたのですが、まだ暑い時期だったし脇に新しい芽が出ていたので、そっとしておきました。
涼しくなって春の花を考える余裕が出たので、カサブランカの球根を掘り起こしてみました。
去年植えたときより二回り位大きくなっています。
このまま、また土に戻していいのかな?と不安ですが、洗って余分な根を除いてヴィオラと一緒に植えてみました。

ハブソウ

畑の畔、用水の辺でよく見かけていました。特徴的な細長いサヤが目立つので、「何かな」と思っていました。
茶色く乾いたサヤを開いてみると、細かい粒が入っています。この粒は、よく見るハブ茶の粒です。
そういえば、祖母の家の裏の畑にあったようにも思います。祖母にはあまり懐かなかったのですが、子どもの頃からずっとハブ茶を飲んでいました。
ハブソウは江戸時代に薬用として渡来したようです。『帰化植物写真図鑑』には、「有害植物で牧草地の強害草である。」と書かれています。もともとは「薬用」で、実を煎じてお茶として利用しているけれど「有毒植物」とは、どんな成分が含まれている草なのでしょう。

センダン草

この辺りの道ばたに、うんざりするほど生えているのがセンダン草です。
よく晴れた乾いた日に、マツボックリが大きく開くように、センダン草の種もかすかな風や振動で飛び散ります。そして、一本一本に分かれ、棘となって体中アールの毛にくっつくのです。

毛に紛れ込んだときの痛さは、オナモミに勝り、さっと触れたときにくっつく数はイノコズチに勝ると思います。
この時期には、なるべくセンダン草の少ない道を選んで散歩することにしていました。でも、どこにでも生えているので、アールは「トゲ、トゲ」という言葉を覚えました。だって「トゲ、トゲ」という警告を無視してセンダン草に突っ込んだら、ちくちく痛いだけでなく、「アールったらもう!!」とひどく不機嫌に文句を言われるのですから。

センダン草には、種類も多いようです。この辺りでは外来種のアメリカセンダン草もよく見ます。アメリカセンダン草の茎は褐色がかり、花はちいさい葉のようなガク(?)に取り囲まれています。

やっと咲きました。

「カルフォルニア・ローズ」ともよばれている八重咲きのインパチェンスが好きなのですが、グリーンショップの小母さんが言っていたとおり、この夏は、まるで元気がなくて、ほとんど花が咲きませんでした。
今頃になって、やっと葉も茂り蕾をたくさんつけています。
夏の間、水だけは撒いていたのですが、それは花よりもむしろ虫たちやカエル君に貢献していたようです。
小さな庭の芝生なのですが、正体不明の虫が大量に生息しているらしいのです。「掘り返して、幼虫を全部つまみ出して、薬をまく。」頭で理解しても、土の中の虫には、お目にかかりたくありません。
『ファーブル昆虫記』を読んだって、ファーブルさんの虫への愛情は、私には移ってきません。気色悪い蜘蛛の話はちっとも進まず、ページの縁に手垢が付いています。
虫は、花と付き合うにあったて、大きな障害です。
ダイヤモンド・フロスト(ユーフォルビア)は、グリーンショップの小母さんのおすすめどおり、夏中手もかからず元気に育ち、一株が70~80cmに育ちました。

秋桜

道ばたにひと群、白い花びらの先がピンクに染まったコスモスを見つけました。
花びらの先端だけ色が付いているコスモスは、初めてです。
コスモスは秋の花のはずなのに、初夏から咲く早咲きの園芸種が幅をきかせていて、ちょっとガッカリしていたのですが、ここ数年、秋が深まる頃コスモス畑が花盛りになるようになって、ほっとしています。
母との散歩に、コスモス畑を歩きました。写真を撮ろうとすると「なぜか、笑ってしまう」と言います。
待たれていること、頼られていることを負担に感じていましたが、私も元気をもらっていることに、やっと気づいてきました。